クラウドファンディングで400%達成した 切り絵作家・成田一徹 作品集『NATIRA ITTETSU to the BAR』完全改訂版

クラウドファンディングで400%達成した 切り絵作家・成田一徹 作品集『NATIRA ITTETSU to the BAR』完全改訂版

 

バーの世界をモノクロームで切り描いた271作品

バーの魅力をモノクロームの世界で表現した切り絵作家、成田一徹氏。彼の作品は、多くのファンを魅了し、圧倒的な支持を集めました。その成田氏の作品を収録した『NARITA ITTETSU to the BAR』は、2014年に初版を発行、たちまち売り切れとなりました。再版を望むファンの声も多く、6年の歳月を経て2020年に完全改訂版を発行しました。再販に先立ち実施されたクラウドファンディング(先行予約販売)では、目標額の400%を達成し、大きな反響となりました。

成田氏は、これまでバーを描いた作品を数多く手がけてきました。そしてバーテンダーも自分の店を切り絵にしてもらうのが憧れでありました。彼はバーをこよなく愛し、バーに愛された人生でした。

しかし、雑誌等でいくつもの連載を抱えるほど多忙であった成田氏は、201210月、脳溢血により63歳の若さで突然この世を去りました。

 

まるでそこに身を置いているかのような情景が広がる

今、改めてページをめくってみると、ゆっくりと静かな時間が流れるバー、喧騒に包まれる賑やかなバー、バーテンダーの特徴を捉えたシェーキング、こだわりのあるバックバー、まるでそこに身を置いているかのような錯覚を覚えます。行ったことのあるバー、聞いたことのあるバー、知らなかったバー、今日はどこでグラスを傾けようか、一ページずつめくってお気に入りのバーを探すのもきっと楽しいことでしょう。

本書は、初版に加え新たに23点の作品を追補、総数271点を収録。店舗情報も更新した完全改訂版。モノクロームだけど温かい、バーの素晴らしさを再確認できる一冊です。

 

NARITA ITTETSU to the BAR』完全改訂版の発売に寄せられたコメント

成田さんの切り絵を世界に類のない表現と尊敬し、バー仲間でもあった私は、氏の没後に作品集制作の依頼を受けて使命感をもち、決定版にしようとした。大きな版型、ハードカバー、ゆったりと、しかし網羅した作品構成、付随資料の精度。考えたのは、成田さんの厳しく洗練された白黒だけの世界ゆえ、本も白黒だけ、グレーも使わないことだった。でき上がったものは満足できたが、成田さんへのプレゼントのつもりで、真っ赤なトレーシングペーパーの帯を巻いて、紅一点を添えた。このたびソフトカバーで再刊されるのはたいへんうれしい。

(グラフィックデザイナー/作家 太田和彦氏)

 

突然の訃報に接してから早くも8年が経ちました。同じ昭和24年生まれ、しばしば酒席を共にした身として、いまだにどこかのバーのカウンターでひょっこりお目にかかれるのではという気がしてなりません。

そんな思いに駆られるのも、自宅に飾られている切り絵のせいでしょうか、全国各地のバーで成田さんの切り絵に遭遇するからでしょうか。そこには名店が醸し出す心地よい緊張感と安らぎ、ゆるやかに流れる時間、そして極上の一杯があります。

作品がある限り成田さんは永遠に生き続けることでしょう。このたびの『NARITA ITTETSU to the Bar』完全改訂増補版を片手に、もう一度成田さんと一杯やるのが待たれてなりません。

(サントリースピリッツ株式会社  名誉チーフブレンダー  輿水精一氏)

 

成田一徹さんの『NARITA ITTETSU to the BAR』再版(完全改訂増補版)が発売される。
成田さん没後、閉店したバーも多く時の流れを感じる。
「今度一緒に」と約束していた神戸のバーも今はない。
しかし店は閉まってもバーテンダーの師弟関係は脈々と続いている。
そんなことに思いをはせ、この本を開いて傾ける一杯は至福の時間だ。
(漫画原作者 城アラキ氏)
 

著者紹介/成田一徹(なりた いってつ)

1949年神戸生まれ。サラリーマン生活のかたわら切り絵に目覚め、88年に上京。切り絵作家として独立しました。BARの空間をモチーフにしたモノクロームの切り絵をライフワークとしつつ、新聞、雑誌、書籍を中心に、街の風景や市井に暮らす人々、職人の仕事や生き様など多彩なテーマで作品を発表。エッセイストとしても、軽妙で味わい深い文書にファンも多く、各地で個展、グループ展を多数開催しました。講談社フェーマススクールズ・インストラクターも長くつとめた。201210月、脳出血で急逝。

 著書に『to the Bar 日本のBAR 74選』 (朝日新聞社)『カウンターの中から』(クリエテ関西)『東京シルエット』(創森社)『The Cigar Story-葉巻をめぐる偉人伝- (集英社)『成田一徹の切り絵入門』 (誠文堂新光社)『あの店に会いに行く』(中央公論社)『神戸の残り香』 『新・神戸の残り香』(神戸新聞総合出版センター)『NARITA ITTETSU to the BAR』(神戸新聞総合出版センター)など多数。

 

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    日本を代表するテイスティングチームによって厳選されたウイスキーを提供するプライベートブランド・カンパニー 。過去のリリース商品は全て即日完売となっています。ドラムラッドのリリース商品は、膨大な樽の中から厳選されたサンプルを豊富な経験とスキルを持つテイスティングチームによって入念にテイスティングされ、官能評価のみならず、市場の傾向、発売時期、価格帯、地域別の嗜好の違いに至るまで多角的なディスカッションを繰り返して決定されています。